【質問】“幸せ”を定義できる人、いる?





「不幸になりたい」という人に、私は出逢ったことがありません。

「幸せになりたい!」という願望は、誰もがもっています。


「幸せ」のために多くを求めないとしても、
例えばお爺ちゃん・お婆ちゃんが「孫の顔が見たい!」とか「大きな湯船に浸かりたい」と考えることも、幸せへの願望の一つです。


幸せとは、「環境」「状況」「条件」では決まりません。

幸せとは、「一瞬一瞬の心の動きです。


ですから「幸せに暮らす」ことを望めば、
常に心を動かしていられる生活を確保することを意味します。


お金があれば幸せになれると思っている人は
高級車の保有、広い住宅の購入、ファーストクラスでの海外旅行
などといった「チェックリスト(=条件)を網羅していくこと」が幸せだと思っています。


小金持ちはチェックリストを順番にクリアしていこうとします。
自分も周囲の人も未経験の事柄を体験することに「幸せ」を感じるからです。
「買いたいけど買えなかったもの」に強烈に魅力を感じてしまうんですね。


では仮に、
「何でも買える」ほどのお金を保有したと想像してみましょう。

チェックリストをすべてクリアして、一通り何でも体験し尽くしてしまうと人は突然、退屈を感じるようになります。

二度、三度と同じことを経験すると面白味を感じなくなるのは仕方ないかもしれません。
こうなると心が動かなくなるので、「幸せ」とはいえません。



環境条件に恵まれていても幸せではない人がいるのは、これが理由です。

逆の例で言えば、インドやブラジルの貧困層の人達から見れば
私たち日本人は安全で豊かで恵まれていますが、日本人だって彼らと同じように幸せを求めて生きています。

幸せは、やはり単純に環境では決まらないのです。


私は犬を飼っています。
世話をしながら、人間と動物の違いを考えることが多々あります。

動物には「快楽」「期待」「歓び」という感覚・感情はありますが、何かの体験を振り返って幸せを噛み締めるほどの知能はないように見えます。

せいぜい、一時の満足感が「幸せ」の瞬間なのでしょう。

おなかが空いた!と吠えれば、ごはんやおやつを十分に得ることができます。しかし毎日同じごはんでも跳びはねて歓んでいます。

毎日同じ「快楽」が続いても、そのたびに心が動いていますから、人間ほど退屈にはならないようです。

そういう意味では
動物の「幸せ」は単純明快で、かなりお手軽に思えます。



とはいえ、手軽に幸せを感じられることが良いことか?と問われれば
自分がそうなりたいと思えないので、「良くない」という答えが出ます。


あるラットの実験があります。

ラットの脳に電極を繋ぎ、脳の快楽を感じる部分に刺激を与えるようにします。
その電極にはスイッチが接続されていて、ラットには「スイッチを押せば快感を得られる」と学習させます。

この実験の結果は、
『ラットは快感を求めてスイッチを押し続け、食べることにも交尾にも興味を示さなくなり、死ぬまでスイッチを押し続ける』というものです。

当のラット本人は、自らの死や遺伝子を残すことと引き替えにしてでも快感を求め続けているので、満足して幸せを感じながら死んでいくのだろうと思います。

しかし人間という立場からこの実験結果を見ると…….ゾッとします。

絶対になりたいと思いませんし、もし生まれ変わってもこのラットにはなりたくありません。

どうやら人間は、「快楽のにも重きをおいているようです。

いくら心が動いて快楽を感じたとしても、手軽で安易な幸せが嫌なのはこのためです。



ですから、少なくとも私が求めている幸せ」の定義

上質なものに常に心が動いていることとなります。

私の場合は「食」にフォーカスして生きているので、

「知らない食文化に出逢った時の発見感動」=「最高の幸せと定義されます。


食べたことの無い食材を獲る漁師さん、パティシェさんの技術、レストランの空間のデザイナー、箸やグラスの職人さん。

何かを食すとき、こういった方々が影にいることを想像するだけでワクワクします。



別に高価である必要はなくて、
ジャングルの原住民の昆虫食とか、ブータンの激辛料理とか、北極のアザラシの生肉とか…。

実際に現地で美味しいと言って食べられるかはわかりませんが、
地球上の食文化の幅広さを思うと幸せを感じるだろうと思います。



そうやってワクワク、ドキドキして発見と感動に囲まれる生活こそ
私が死ぬまでに実現したいことです。

死ぬまでにとは言っても「愉しすぎて幸せすぎて、死んでいられない!」が口癖の
バイタリティ溢れるお婆ちゃんになっている気がします。笑



芸術家や革命家、活動家、指導者、哲学者などは
歴史的に見ても死刑等にならない限り、長寿を全うしています。

自身の「快楽のを理解していて、「最高の幸せ」を貫いてこそ

本当の意味で「生きる」ことができるのかもしれません。








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